DATE: 2025/7/23

飛騨高山源流域釣行記:渇水期のイワナを追って

例年より3週間早い梅雨明けを迎えた7月上旬、飛騨高山の源流域を訪れた。連日35℃近い猛暑が続いていたが、標高の高いこの地の朝5時の気温は18℃。冷たい水温と相まって、長袖を重ね着しての釣行となった。同行してくれたのは、源流域のルアーフィッシングに精通したエキスパートアングラー山崎雅弘氏。長年の経験に裏打ちされた状況判断力、キャスト技術、そして険しい渓を登り続ける驚異的な脚力は、多くの源流アングラーの参考となるだろう。序盤の苦戦と源流域のサイン
釣行開始から2時間、魚の反応はほとんどなかった。渇水期で水位が低く、魚の警戒心が高まっていたためと推測される。しかし、顔やロッドに絡みつく源流域特有の粘り気の強い蜘蛛の巣は、先行者が少ないことを示すポジティブなサインでもあった。この蜘蛛の巣がロッドのガイドやPEラインに絡むと厄介だが、それを払う手間をかけることこそが、釣果への第一歩となる。
蜘蛛の巣が絡みつき始めた頃、ようやくイワナがルアーを追いかけ始めた。イワナは警戒心が非常に強く、一度踏み込むと姿を消すが、一方で捕食モードに入ると獰猛にルアーに食らいつくという二面性を持つ。この日のイワナは後者の状態であり、堰や崖を越えて釣り上がっていくにつれて、どのポイントからも次々と反応があり、かつてない好釣果に恵まれた。使用タックルとフックの考察
この日の釣果を支えたのは、主にシンキングミノーであった。Ryuki 45S、もののふ 45S、D-contact 45が圧倒的な釣果を叩き出し、スプーンやスピナーを上回った。これは、低水位の状況下で、より正確なレンジコントロールとアクションを可能にするシンキングミノーの優位性を示している。
フックは
「ドリフトフック ファイン(DRS-40)」の#8、
「ミノーエキスパートフック ミディアムヘビーワイヤー(MEB-41F)」の#6、
「プラッギングシングル ミディアムヘビーワイヤー(PL-41B)」の#6。
ベリーフックに装着した「ストリームトレブル ファイン(DT-25F)」の#12は根掛かりが多発したため、すべてシングルに交換した。「ドリフトフック ファイン(DRS-40)」はサーフェスコートのループが優れており、フック交換が容易だ。また、特筆すべきは「ミノーエキスパートフック ミディアムヘビーワイヤー(MEB-41F)」のフッ素加工である。皮一枚のフッキングでもバレることなく、ターゲットを確実にランディングできたことは、そのフック性能の高さを示す結果となった。トラブル回避のため、フックはすべてバーブレスにして使用した。

装備品とラインシステム
スナップには溶接タイプスナップの「ウェルズスナップ(WES-F)」の#00、スプリットリングには「エキスパートリング・グライド(SRG-B)」の#1を使用。これらは釣行中に外れるといったトラブルは皆無であった。特に「エキスパートリング・グライド(SRG-B)」は使い勝手が良く、現場での信頼性が高い製品であることが再確認した。ラインシステムは、メインラインにPE0.6号、リーダーにフロロカーボン6ポンドを組み合わせた。
今回の釣行は、ネイティブトラウトフィッシングにおけるフィールドスタッフとの連携の重要性、そしてフィールドへの理解を深める貴重な機会となった。様々な状況に対応するタックル選びの重要性が改めて示された。

掲載製品

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