2022年7月中旬、ヴァンフックフィールドスタッフ木下進二朗さんと鳥取県に釣行に行って来ました。
木下さんは初の山陰地方。予定は2日間。しかし空梅雨による渇水でフィールドコンディションは最悪に近い状況。
ということで1日目は山陰トラウトフィッシングガイド松井さんにご協力頂き、渇水でもコンディションの良い河川へのガイドをお願いしました。
しかし蓋を開けてみると前日夜半に大雨が! 梅雨時期には見られなかった待望の雨です。
渇水の不安が一転、当日は雨でリセットされた川と天候に期待と不安を膨らませながら集合場所に向かいました。
濁りを避けた湧水系河川で。コンディションを確認しながら入渓。
現地に到着すると、霧雨まじりの曇り空。予報では大雨こそないものの、まだ雨が残りそうな雰囲気です。
事前の予定では朝一は中流域でヤマメ狙いでしたが、雨による濁りで残念ながら断念。
イワナ狙いに変更して、濁りが入りにくく水質も安定している湧水系の支流から入渓することになりました。
ベリーにしっかりフッキング。高活性でバラしもほとんど無い。
さすがご当地ガイドさん、案内して頂いた渓が大正解!
ここぞというポイントでは 必ずと言って良いほど何かしらの反応が帰ってきます。
魚のコンディションも非常に良く、ガッツリ反転してくれるのでバラしもほとんど無く、沢山のイワナが遊んでくれました。
金色とオレンジが美しい「大山イワナ」
何より釣れてくる魚が非常に美しい。釣れてくる魚はニッコウ系。
お腹や朱点からヒレの先まで濃いオレンジ色が分布しており、全身がキレイな金色のグラデーションで彩られています。
松井さんはこのイワナを「大山イワナ」と読んでいます。各地に色々なご当地イワナがいますが、この色の濃さはかなり特徴的。山陰のイワナと言えばゴギのイメージが強いですが、一味違った新しいご当地イワナと出会えました。
実釣3時間弱で1日やりきったぐらいの満足感でしたが、雨が落ち着いて来たこともあり、昼食のことも考えちょっと早めの移動をすることにしました。
午後からは日差しを避け、支流源流域に。
午後になると雨が上がってカンカン照りで真夏の暑さに。日差しを避けて源流域に向かいました。
雨の効果でこちらも高活性。落ち込みから瀬まで、小場所でもルアー目掛けて元気な魚がすっ飛んできてくれます。
木下さんと二人で釣り上がって行きましたが、キレイな魚がどんどん釣れてしまうので写真撮影で釣り上がるスピードはどうしてもスローに。
キレイな魚がたくさん釣れるので写真撮影が忙しい
源流域で十分楽しんだ後、夕マズメはサイズアップを狙って少し下流へ移動。
少し下流から短い区間を釣り上がって行くスタイルで大場所を探っていきました。
大物が居そうな淵の前の落ち込みでは小型~ 中型のイワナが複数で奪い合う様にチェイス&バイトしてきます。
場所によっては10匹単位でストックしている様子。
魚の姿は頻繁に見れますが大型の気配は感じられず時間は過ぎていきます。
堰堤前の落ち込みなど丁寧に探っていくが大イワナの姿は見えず
次が最後のポイントと決めて大きな堰堤で止まるストレッチへ。
小気味良く魚を釣りながら堰堤に向けて登っていきます。堰堤手前まで登って遂にドラマが!
崩れた護岸の角を通ったミノーに黒い影がチェイス!
体色も鮮やかな尺上げイワナ
激しいバイトの末に上がったのは金とグリーンの体色が鮮やかな尺イワナ。
体高が高く、丸々と太った見事なコンデイションでした。終了間近のドラマ魚かと思いきや…
最後の落ち込み、沈んだブロックから飛び出した大イワナ
どん詰まり、最後の堰堤で木下さんにとんでもない化け物が!
ネットインした魚体を見た時は思わず「デカい!」と皆が口を揃えて叫んでしまいました。
ネットから覗く、厚みのある美しい魚体
撮影の為に浅瀬に向かう中、ネットから除く背中は厚みがあり、かなりの大物を予感させます。
精悍な顔つきとヒレの縁をキレイに彩るホワイトライン
金色の美しい魚体。厳しい環境を生き抜いてきたことを物語る細かい傷
大きな尾ビレは朱色に縁取られている
今までしっかりとサイズを測ってきませんでしたが、あまりの魚体に一応サイズ測定してみることに。
しっかり測定するとサイズは38cm!
金色の魚体にオレンジの朱点、ヒレはキレイなホワイトラインで縁取られています。
大きな尾ヒレは朱色に染まっており、体色と見事なコントラスト。
サイズ以上に、冬は豪雪に閉ざされる厳しい環境を生き抜いている力強さを感じさせる美しい魚に感動しました。
木下さんもこの魚体には思わず笑顔に。この1匹を最高の上がり鱒にして釣りを終了しました。
松井さんおすすめの海鮮丼でシメ
アフターフィッシングは松井さんおすすめの海鮮丼で締め。
モサエビ丼とエビの味噌汁とエビづくし。当然、超美味で一瞬で完食。
今回の釣行には、穴場的お店へのアテンドや地場の文化への解説など、地域に密着したガイドならではの、自分たちだけでは絶対にできない体験が詰まっていました。
釣果だけでなく、1日を通したトータルプランニングで最高の時間を提供してくれた松井さんに感謝です。
1日を通して活躍したドリフトフック
今回の釣行では木下さんはドリフトフックのバラ鈎「DRB-46F」を使用した自作フックをメインに、私はドリフトフック「DRS-40F」をメインに使用しました。
当日は尺上げのイワナから小型のイワナまでしっかりとフッキングし、バラしもほとんどありませんでした。
アイがフックポイントを邪魔しないフッキング 力の高さと、ねじれによるバラしにくさが体感できた1日でした。
2日目は水系を変えて、木下さんと二人での釣行になります。
シングルフックの利点やループアイの利点、ルアーとの関係を解説して頂く予定ですのでご期待ください。